私どもではVRコンテンツの制作を行っております。
VRコンテンツは従来の映像コンテンツとは違うポイントがあります。
今回は「カメラ」について簡単にまとめてみたいと思います。
・カメラワークはなめらかにする
C4Dの場合、カメラ移動のキーフレームをベジェ曲線にする等してなめらかな動きを意識することで、見る側のVR酔を防ぐことができます。
・高さを意識したカメラワークを行う
これは演出的な面で、横方向の動きよりも、縦(高さ)移動の方がダイナミックな印象になります。
VRという実感できるコンテンツの良さを表現できる大きなポイントかと思います。
・360°のアクションを意識する
視聴者の意志で見たい方向を見ることができる、これってスゴイことですし、これこそがVRコンテンツの醍醐味です。
映像コンテンツ中の出来事の真っ只中に視聴者を配置することができます。
また、周囲で見せたい場面・イベントがある場合は、視聴者の視線を誘導するようなガイドを表示する等の対策も必要になります。
これまでの映像コンテンツと違い、360°の映像を準備しないといけないので、製作者には負荷の高くなる部分ですので、作り込みの必要でない部分の効率化をいかに行うかも制作上のポイントになるんでしょうね。
・カメラワークは移動方向のみにする(移動方向以外の視点移動はユーザーにまかせる)
車酔いでも同じ現象が起きるのですが、移動の進行方向に視点を向けることで「酔い」を防ぐことができます。
ただ、進行方向に限定されたことではなく、見せたいものを正面に入れるような動きが良いと思っています。
その他、360度映像ではなく、前面だけのVR(180°VR)等の場合、視野角を狭くする方がVR酔の症状が出にくいようです。
従来のコンテンツはカメラというフレームで視点を制限されます。カメラが見た映像を視聴者は共有するイメージです。
作り手の見せたいものをカメラが追うことが多いので、見どころを見逃すことはあまりないといえますので、見る側は楽です。
これに対して、VRはカメラはフレームではなく位置だけを共有します。何を見るかは視聴者次第です。むしろこの場合視聴者という表現が適切ではなく「立会人」とか「その場に居た人」という感覚が近いのかもしれません。
作りは、見せたいものがある場合は、そこに視線を導くガイドを設ける必要があります。
また、不要なカメラ移動は、VR酔い等の新しい現象を生みますので、カメラの移動についてはこれまでのカメラワークとは違った配慮が必要になります。
※C4DのCV-VRCamを使用しています
イメージとして、ホーンテッドマンションのカートの中にカメラを固定で設置した際の動きに近いのかなぁと思います。