現在制作での主流はハイビジョンです。
一口に「ハイビジョン」と言っても何種類かありますので、簡単にまとめてみます。
名称 | 解像度(pixel) | 主な用途 |
フルスペックハイビジョン | 1920 × 1080 | BD、衛星放送等 |
ハイビジョン | 1440 × 1080 | 地上波デジタル放送 |
ハイビジョン(ハーフ) | 1280 × 720 | アニメ等 |
地デジの放送規格は1440×1080なのですが、実際の編集環境では1920×1080で作業することも多いのではないかと思います。それ故CG素材も1920×1080の解像度を求められます。
地デジの放送開始から時間が経っている事もあり、フルスペックハイビジョンでの制作環境もほとんどの制作セクションで導入が終わって、スタッフの習熟度も向上しているのは間違いないでしょう。
そんななか、最近の出力デバイスは、4Kが随分と増えてきました。また、収録用の機材も4Kか身近になり、編集環境も4Kを扱える環境になってきています。
※ここで問題なのは、「扱える」であって、実務として効率が良いということでは無いことです。
では、実際の4Kで制作を行うにはどのくらいのスペックが必要なのでしょうか?
アプリケーションにも拠るのですがここではAdobe CC環境でのお話にしたいと思います。
【編集PC】
ワークステーションクラスの性能が求められます。
パーツ名 | 構成の目安 |
CPU | Core i7 6コア以上、クロックは4Ghz程度が望ましいと思います。 |
メモリ | AfterEffectsを使用するなら多いほうが良いです。使い方次第ですが、16GBでもPremiereProだけならば動作します。(うちでは48GBで作業してますが、映画のVFXでAEをガンガン使ってるとメモリ不足の警告が出ます) |
SSD | システムはデータとは別にしましょう |
HDD | 作業ファイルは転送速度の早いものが良いですが、RAID0にまでする必要はないと思います。但し、業務用コーデックで300MBの転送速度が必要なRAWコーデック類はRAID0でないとコマ落ちします。 おすすめは、WDのBlackモデルです |
ビデオカード | できればQuadro4000以上(うちではQuadroK2200とGeforceGTXで負荷分散させています) |
電源 | 消費電力の1.5倍くらいの容量をもつもので、GOLD以上が良いです。電源の性能がシステム全体の安定に影響します。 |
その他 | システム以外にもうひとつSSDを用意し、そこにキャッシュファイルを保存すると良いです |
メールや経理処理はノートパソコンを使用しますので、ワークステーションは製作用として制作以外のアプリは入れないほうが良いでしょう。
以外にChromeがメモリやビデオカードのリソースを使いますので、併用しない方が良いと思います。
レンダリング中は他の作業が遅くなるので、その時間は事務処理にあてたほうが良いかなと思っています。
他の編集ソフトでは要望スペックも違うと思いますが、上記を目安にしておけば、普通にカット編集程度はできます。
予算に余裕があれば、映像ファイルを全部SSDに入れてもいいかもしれませんね。
3DCG制作はまた別で、CPUとビデオカードが重要になります。
これはまた別の機会にでも書いてみたいと思います。